このところ、札幌を発ってからの巡業ルートは大阪~名古屋~東京間なので何時も移動は新幹線。何となく安心だし、ゆとりや情緒もあるような気がして、飛行機よりずっと気に入ってます。祖父の若き頃は国鉄(現在のJR)に勤めていたので、小生の幼き頃はしょっちゅう汽車(SL)の旅に連れて行ってくれたもんです。札幌駅を出発して函館へ、そして青函連絡船(88年に青函トンネルの開通に伴い廃止)で青森に渡って東北本線に乗り換えて上野駅まで、その間約30時間以上のすこぶるノンビリ旅。そして何より楽しみだったのが駅弁でしたねぇ...。
その駅弁が今でも、旅の楽しみのひとつ。しかし、巷ではデパ地下がワンコインの500円弁当を出して話題になってからというもの、スーパーは何と300円以下(258~298)で対抗。そんな超低価格競争にあるさ中、依然と800~1500円位の(現在では高価格の)お弁当を販売しているのがJR西日本(東日本は分かりません)のキヨスク。
今回の巡業中も新大阪で駅弁(1300円)を購入して、名古屋まで(たったの50分!)の間に食したのですが、何とも寂しい限り・・・ヘルシーと言えばそうなのかもしれないけど、(値段の割には)あまりのボリュームのなさ、おかずの貧弱さ、味の薄さ(最近は醤油も付いていない)に少々ガッカリ&久しぶりに後悔。駅弁というノスタルジックな付加価値があるので、高めなお値段は目をつぶります。が、もう少し満足できる内容が欲しいなぁ~と感じたものです。
だけど、298円弁当ってのは、少々やり過ぎやしませぬか?大手のスーパーは(資本主義経済の力学で)下請けの弁当業者を叩いて仕入れているんだろうけど、その弁当の原価は幾らで、一体どんな材料を使ってどんな風に作られているのだろうか・・・同じ料理人として色々考えると不安、というより恐怖感すらも・・・。弁当業者さんは泣いてるんだろうなぁ・・・企業努力の限界を超えて、ムチャクチャな感じがするなぁ・・・。
その昔、札幌競馬場内の売店から開催日(土日)に合わせて、サンドイッチを一日分100個卸すように頼まれたことがありました。細々とやっていた頃だったので「注文が入った!それも大好きな競馬(場)から!」しかし、楽しめたのは最初だけ。朝4~5時に起きて、サンドイッチを100人分作り、パッケージ詰め。それを8時前までに売店に届けて一日分8000円也(1ヶ80円で納品)。いくら数字に疎くても原価、そのサンドイッチに懸ける血と汗と涙のエネルギーを考えると・・・ひと夏開催でギブアップ。リミット越えてムリし過ぎると、心身共に擦り切れるだけ。(*その3へ続く)