スープカレー誕生!その5

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スパイス02.JPG「スープカレーが札幌で人気になった理由は?」「スープカレーが札幌で生まれた必然性はあるんですか?」そんなことを取材の時によく質問される。北海道には鍋料理が多いだとか、道産子は汁物を好む、とか少しは影響あるんだろうけど、正直私も分かりまっしぇん。だいたい人気になるっていうより、意図的に仕掛けた訳じゃなし、絶対に売れない!って確信の方が強かった位だから本人も不思議に感じてる。北海道の食文化を考えればまさに奇跡!必然性っていうより、たまたま私が札幌に住んでいて、そこで始めたから「札幌発」になっただけのことだべさ。横浜の伊勢佐木町に住んでいたら横浜発じゃん、大阪生まれだったら大阪発になってたかもしれへん。

アジア(主に赤道近辺)の魅力は途方もなく幅が広くて奥行きも深い。天(国)と地(獄)が入り混じったマンダラ世界がそこかしこに点在、展開している。それに、あたかも万華鏡を眺めるかのようなアジアのカオス的フードは秀逸!路地の屋台料理から松、竹、梅級レストランに至るまで、どの料理をとっても魔法的、魅力的、宇宙的。

何十年も前から聖地巡礼の如く幾度もアジアを旅して毎度感動するのは、彼らの主観的特徴...能天気&見た目元気!失礼だが大部分の人々は経済的に豊かではない(というより極貧が多い)、家庭環境や医療事情だってお世辞にも恵まれてるとは言えない。でも100%ポジティブで健康的で元気!この世に生を受けた日から一生、熱帯暮らしなんだからあまり物事をつきつめたり深く洞察する...なんてことはない。トラブルが発生したって、ミサイルが撃ち込まれたってエブリシング「ノープロブレム、マイペンライ」...

それは心身健康のための万国共通の秘訣。熱帯アジア民族の直球元気、恥を恐れぬパワーの源...その秘密は彼らの食生活にある!日常食する料理の中に、無限に広がるホットでミラクルなスパイスワールド。数々のスパイスや唐辛子の辛さの中に秘められた、強力で即効的な健康保持のための薬理効果を代々伝承の文化としてアタリマエに、そして見事に毎日の食生活に摂り入れている。民間医療にも様々ござるが、「医食同源」「食の原点」アジアの屋台にアリ!私は小さな悟りを得た。

マジスパはそんなミラクル&スパイシー宇宙を如何に表現してどんなカタチ(料理)にする?で、即思い付いたのがインドネシア、バリを旅した際、毎日でも飽きずに食した「ソト・アヤム」だった。インド・パキスタン料理、スリランカ料理、ミヤンマー料理、アジアと欧州文化を融合した中東・トルコ料理(世界三大料理?誰が選んだの?)たちも捨て難い。ばってん、ソト・アヤム!

フランスやスペインに行けばEUの味覚に修正、インドの大地を踏んだらインドの舌になる。無意識にそうなっちゃうんだけど、環境や風土に味覚を合わさなくっちゃ楽しい旅なんかできやしない。水質だって日本とはゼンゼン違うんやからね。それにしても朝から晩までギー(牛脂)をたっぷり使った全てがカレー風味のインド料理は胃にツライ。タイのケーンやベトナムカレーのココナツミルクも、チャイナ系カレーで特徴的な八角(スターアニス)、ウーシャンフェン(八角混入)風味も決定的白旗。以前はどれも大の付く好物だったけど、ある日を境に拒否反応を起こすように...今ではトラウマ的嫌悪。ついでにパクチー(コリアンダー)も隠し味以外はあきまへ~ん。

その点、インドネシア料理(フィリピン料理も同じく)は日本とアジアがイイ感じでクロスオーバーしていて「うま味」を感じる我がジャポネスの味覚には良く合う。マレー料理にもあるホットチリソースの「サンバル」もただ辛いだけじゃなくて、カピ(海老の塩漬け)を練り込んでいるために程良く辛ウマを演出てくれる。そこなんだよね!私がソトアヤムに惚れこんだ理由は。ソトアヤムにサンバルをブッかけて、インディカ米でサラサラとイタダク...でも日本で、しかも専門店でそのままじゃあ淋しい。インドネシア風茶漬け屋になりかねない...何か今一つ強烈なインパクトが欲しい...そこで私はありったけのシナプス(脳神経細胞)電気信号を走らせた!

《長きに渡ってスミマセン。6へと続きます》

 

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