| ■ スパイスはパワーを引き出す スパイスやハープのサプリメントはアメリカ社会では先を行っていて、実に数多くの自然薬草が様々に商品化されている。効能効果、安全性も実証済みで、医療保険制度がなく医療費、治療費が高いアメリカだけに、その分民間医療、民間ドラッグストアは注目され、日常生活と一体化している。また、何と言ってもスパイス、ハーブなどは日常簡単に手に入れることが出来る手軽さ、そして副作用が殆どないなどの特長を持つ。それらの強壮作用はもっと見直されていいし、これからの(あらゆる意味で)困難な時代に生きる我々にとって、確実にサポートしてくれる強力なサプリメント、トニック(強壮剤)になるアイテムだと思っている。
スパイスの魅力は、身体の健康を穏やかに、しかも力強くサポートしてくれる点にある。もちろん、それがスパイスが持つ特徴的で大きなパワーには違いないが、そればかりではない。スパイスには、心と意識に働きかけるスーパーミラクルなパワーがある。その秘められた奥深いスパイスパワーに私は惹かれ、神秘を感じている。 スパイスは、単体でも風味や色合いなどそれぞれ個性豊かな特徴を持つうえ、様々な医学的効果が認められている。それらのスパイスを複数ブレンドすることによって、また違った特質や効能を引き出すこともできる。例えば、スパイスの分かりやすい個性として「辛さ」がある。そのキャラクターだけを取ってもまた奥深い。 低い緯度(赤道近辺) になるにしたがって、唐辛子や各種のスパイスは日常的に(我々日本人の感覚からすると驚くほど)多量に、料理に使われている。一例を挙げれば、唐辛子はその辛さの成分によって食欲を増進させてくれるほか、意識を目覚めさせて行動を促すなどの効果がある。また食物を長期的に「保存」すと、斉に噴き出してくる。そして大量に汗をかいた後はシャキッとして気分爽快、あの南国の熱帯夜でも涼しく感じられるほどだ。 尾篭な話だが、タイ、ベトナム、ミャンマーあたりでは月に一、二回、自分の限界を超えた辛さの食事を摂る。具体的には唐辛子を沢山食べ、強制的に下痢をさせるという訳だ。こうした東南アジア風の生活の知恵もあるらしい。また、アジアで時々耳にする民間医療の話にも辛さが絡む。体内に澱む物理的、霊的な不浄物を一気に排出させて、健康を回復させて元気になるというのだ。それが自然なアジア健康法のひとつになっている。医学的にどうなのか分からないが、イメージでは大いに納得できる。 実は私自身、その部分(回復のイメージ)が治療や健康保持では最も大切なことではないだろうかと思っている。例えば、死の宣告を受けたガンの末期患者が奇跡的な回復を見せることがある。それは「ポジティブなイメージによる細胞の活性化」が患者本人の自然治癒活動を強力に促したからだ、と言われている。さらに、心理学では「域」という言葉がある。痛みや苦しみなど個人の忍耐や我慢の「限界域」を超えると、脳内麻薬性物質が分泌して失神、気絶を起こさせ、苦痛を緩和し多幸感を与える働きがあると言われているのだ。個人の限界域を超えた「辛さ」という刺激に対しても、同種の作用が考えられるのではないだろうか。 私の店では辛さに段階を付けている。そして、その辛さのレベルがイメージで分かりやすいようなネーミングを考えた。辛さの順に「覚醒・瞑想・悶絶・涅槃・極楽・天空・虚空」の七段階がそれ。そして、二十世紀末限定では「世紀末」、新世紀になってからは「アクエリアス」という超越の特辛版まで、レギュラーを含めると九段階の辛さのバリエーションとなっている。 辛さ″の刺激は経験によって次第に耐性ができる性質のもの。辛さの刺激に慣れると、辛さの段階が徐々に上がっていくのが一般的でもある。天空、虚空、アクエリアス″などの特辛バージョンを食べた人は、しばし放心状態になって満足、幸福そうな、時には恍惚とした表情さえ浮かべることがある。何時もは瞑想、悶絶″レベルの辛さに慣れている人が、数段階上の涅槃、虚空″クラスに挑戦した場合などは、特にそんな症状が現れる。それはいかにも「辛さの成分」が脳内のある部分を刺激して、何らかの脳内麻薬(例えばエンドルフィンなど)のような物質の分泌を促し、そのために意識に作用しているのではないかと思えるのだ。 一方、「辛さに酔っている」人の表情や素振りを観察していると、「ドラッグで優雅に旅をしている」人の表情によく似ていることが分かる。実際、エンドルフィンは、あのフグ毒テトロドトキシン″の五十倍ものパワーがあると言われている。それだけの超強力な脳内麻薬性物質を、我々人間は自らの頭の中に持っているのである。 スパイスやチリは、我々人類がアカシックに繋がる唯一の方法である。ブラックボックス(大脳旧皮質)に秘められている情報、パワーを引き出す、脳内麻薬の分泌を促進させてくれる鍵になっているのだ。 |
| ( MAGICSPICE <魂の旅、アジア、医食同源そしてNYへ> より) |